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「御消息」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

ごしょうそく/御消息

法然のものと伝えられている手紙。誰に宛てたかは不明。本消息は、『拾遺和語灯録』下と『四十八巻伝』二二に所収されており、それぞれの註釈書の『日講私記』七や『翼賛』二二では、九条兼実の正室へ宛てた手紙としている。本消息には日付けがなく、成立年次は不明。内容は、安心、すなわち三心の解説が大部分をしめ、善導の釈に依りながら、私釈が施されている。『四十八巻伝』二二所収本の末尾には、『拾遺和語灯録』下所収本にはない起行の説明が存する。しかし、おそらくそれは後世の付加と考えられる。本消息は、『往生大要抄』『浄土宗略抄』と内容的に近似していることが指摘できる。


【所収】昭法全


【執筆者:角野玄樹】


浄土真宗各派において門主(門首)、法主から門信徒に出された文章のこと。御書、勧章ともいう。内容は多岐にわたり、法義・安心に関するものを主とし、当時の教団内外の問題に関するものや募財に関するものを含む。門主よりの文章を消息と呼ぶのは近世になってからで、親鸞の手紙を消息と呼んだことに由来する。江戸期成立の本末制度を背景として、宗教的上位者である門主が下位にある門徒へ正統安心を示すところに特色がある。


【参考】福間光超他編『真宗史料集成』六(同朋舎出版、一九八三)


【執筆者:藤田真隆】