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「羯磨」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版

かつま/羯磨

僧団の儀式・作法を指すことば。弁事ともいう。Ⓢkarmanの音写。南都諸宗や密教系では「こんま」と発音する。原語には二通りの用法があり、通常「業」「所作」と訳し広く通仏教の概念として作用やはたらきを示す。一方、「羯磨」と表記する場合は作法を指す。すなわち、教団運営に関わる議事や比丘・比丘尼の入団儀式である授戒において、式を司る戒師などが案件を表白し、それについて一同が同意を表明する一連の意志決定の作法をいう。重要事項に関しては白四法びゃくしほう一白三羯磨(一度の案件提示に対して、三度の確認)、以下、白二(一度の案件提示に対して、一度の確認)、単白たんびゃく(一説して僧衆に知らしめる)等、議題の軽重に応じて適用される。一人で行う際も、多人数で行う際も、口に出して述べることが重要とされ、受戒における戒体発得の要となり、また懺重さんじゅうにおける滅悪の要ともなされている。狭義には律典の一分野として作法部分をまとめたテキストを指すこともある。なお浄土宗において、正授戒儀式中に、羯磨が用いられている。


【参考】恵谷隆戒『円頓戒概論』(大東出版社、一九三七)


【参照項目】➡一白三羯磨


【執筆者:渋谷康悦】