「果号」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
かごう/果号
仏名を表す言葉の一つ。すべての仏は万行(因)に報いて、仏となる(果)のであるから、その仏名を果として得た称号として、果号と言う。果号には因位に修した一切の功徳が含まれているとされ、阿弥陀仏について言えば果号は阿弥陀であり、法蔵菩薩であったときに修した功徳が具わっていると言える。『大原談義聞書鈔』では、「果号は三字の衆徳の根源なり」(浄全一四・七五九下)として阿弥陀仏の阿弥陀を指して諸々の功徳の具わる果号であると言い、聖聡『大原談義選要鈔見聞』では「果号とは弥陀如来、因位の万行に酬いて果位の四智三身を満つ。その仏名を呼んで阿弥陀と名づく」(浄全一四・七七二下)として、阿弥陀仏は万行に報いて四智三身の功徳の具わる果号を得ているとしている。通常、仏の名を果号とは言わず、その意味を含んで名号と言う。法然は『選択集』において「名号はこれ万徳の帰する所なり」(聖典三・一一八)として、阿弥陀仏の名号には内証外用の諸々の功徳が具わっているとしている。
【資料】『大原談義聞書鈔見聞』、『大原談義選要鈔』
【執筆者:宮田恒順】