「斛食」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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こくじき/斛食
枡に盛って餓鬼に施す飲食のこと。斛は大きな枡をいう。『救抜焰口餓鬼陀羅尼経』には、一定量の飲食を施すために摩伽陀国で用いている斛としている。焰口という名の餓鬼から、三日後に命が亡くなると告げられた阿難が、焰口にその難を逃れる方法を尋ね、無数の餓鬼とバラモン達に摩伽陀国で用いている斛で各々一斛の飲食を施し、また焰口餓鬼のために三宝に供養すれば、その功徳によって阿難の命は延び、焰口餓鬼も餓鬼の苦しみから救われると告げられた。釈尊は無量威徳自在光明殊勝妙力という陀羅尼を誦すれば、すべての餓鬼に四九斛の最上の飲食を満足させることができると説いている(正蔵二一・四六四中〜五中)。施餓鬼会で変食陀羅尼を誦すのはこの経説によるものである。
【執筆者:西城宗隆】