「戒師」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 01:17時点における最新版
かいし/戒師
戒を伝える師のこと。また得度式や結婚式の導師のこと。法然は一八歳のとき、比叡山西塔黒谷で、叡空より円頓戒を伝授された。その後、求道生活の中で、戒定慧の器ではないという「三学非器」の自己認識を出発点とし、凡夫往生を目指した称名念仏の実践と教化に生涯にわたりつとめた。その生涯の中で、伝えられるところでは、法然は戒師として、三帝三門院(後白河法皇・後鳥羽上皇・高倉天皇・上西門院・宜秋門院・修明門院)、信者、門弟等に授戒を行っている。法然から円頓戒を伝授された門弟には、源智・信空・湛空・聖光・証空・感西・聖覚などがある。法然滅後の円頓戒伝授は、聖光—良忠—良暁—蓮勝(鎮西流)、湛空—永空—清空—順空(二尊院流)、湛空—恵尋—恵顗—興円(黒谷流)、証空—遊観—承空—康空(三鈷寺流)の系統に連なっていくことになる。現在浄土宗では、璽書道場成満の者がその任に当たることができる。
【参考】大野法道『戒学点描』(浄土宗、一九五九)
【執筆者:東海林良昌】