「略論安楽浄土義」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
りゃくろんあんらくじょうどぎ/略論安楽浄土義
一巻。『略論浄土義』『安楽浄土義』ともいう。北魏・曇鸞撰。『無量寿経』によりながら、安楽浄土の因果と衆生往生の因果とについて九つの問答によって明らかにするもの。問答の第一は浄土の三界不摂、第二は三種二九句の荘厳成就、第三は往生の三輩九品の別、第四は胎生者、第五は仏智疑惑への対治、第六・第七・第八は第五から派生した問題、第九は十念相続について議論している。古来、本書の撰者について論議が重ねられたが、特に天台宗の霊空光謙によって非曇鸞撰説が主張され、浄土宗の敬首をはじめ多くの学者がこれに反駁したことは有名。上記の反論に加え、近代に至り敦煌写本のなかから本書が発見されたことにより、撰者の真偽についての議論は終息し、現在では曇鸞の真撰と認められている。
【所収】浄全一、正蔵四七
【参考】名畑応順『略論安楽浄土義講案』(東本願寺出版部、一九六六)、矢吹慶輝『鳴沙余韻—燉煌出土未伝古逸仏典開宝—上・下』(岩波書店、一九三〇・一九三三)
【執筆者:石川琢道】