「房翥」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版
ぼうしょ/房翥
生没年不明。『瑞応刪伝』中にその伝が記されるため唐中期以前の人と見られる。その伝によると、房翥が急逝して冥府へ赴き、閻羅王に会うと、「汝は生前一老人に念仏を勧め、その老人が西方浄土へ往生したという善根があるから、浄土へ往生すべきである」と言われた。しかし、房翥が「自分は『金剛経』を万巻書写し、五台山への巡礼の願を建て、未だそれを成就していないのでまだ往生するわけにはいかない」と答えると、閻羅王は房翥を娑婆世界へ還した、と記されている。法然は『逆修説法』二七日に、他人に念仏を勧めたという功徳によって往生した人として、つまり勧進往生のあかしとして、この房翥の事跡を紹介している。
【資料】『瑞応刪伝』中(続浄六)、『龍舒浄土文』五(浄全六)、『逆修説法』二七日(昭法全)
【執筆者:金子寛哉】