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「不更悪趣願」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版

ふきょうあくしゅがん/不更悪趣願

無量寿経』に説く、阿弥陀仏四十八願中第二願。道光無量寿経鈔』による。義寂ぎじゃくは「命終復不更悪趣願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒浄土教の新研究』四二〇)、智光は「有惰命終展転増上願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七五)、良源は「人天寿終展転増上願」(『九品往生義』浄全一五・一五)と呼ぶ。自らが成仏した国土極楽世界)の人天が死後に三悪道かえることがないようにしたいという願。法然は第二願について、『選択集』では「すなわちその悪道に更る粗悪の国土を選捨して、その悪道に更らざる善妙の国土を選取するが故に選択と云うなり」(聖典三・一一六/昭法全三一八)といい、『無量寿経釈』では四十八願抜苦与楽ばっくよらくの義がある中、「大悲抜苦」(昭法全七四)とする。この願については、まだ地獄に堕ちていない者に関する願か、すでに堕した者を再び堕さないようにする願か、という「已未通局」の論がある。『大阿弥陀経』の第八願、『平等覚経』、『無量寿如来会』、梵本、チベット訳のそれぞれ第二願が対応する。


【資料】『無量寿経鈔』三、『無量寿経随聞講録』上之二(共に浄全一四)


【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)


【参照項目】➡四十八願已堕未堕弁


【執筆者:齊藤舜健】