「総回向偈」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
そうえこうげ/総回向偈
修めた功徳の全てを往生極楽のために回向する偈文。日常勤行式などでは念仏一会のあとに唱える。「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」。『観経疏』玄義分(聖典二・四/浄全二・一下)、「十四行偈」の最後の一節。修したところの功徳を平等に一切の衆生に施し、共に仏果を求める心を発こして極楽に生まれんことを願う意。『諸回向宝鑑』二(二九オ)には「念仏回向」、『法要集』(明治四三年版)には「総回向之文」、『浄土宗法式精要』には「総回向偈」(五二ウ)と偈題する。この偈文は「摂益文」・念仏一会と同じ犍稚物を用いる。「総回向偈」のあとに十念を唱えて深揖する。「願以此功徳」の文は増上寺で唱えられる「称讃偈」の第三重にもあり、また声明の「後伽陀」として唱えられる。
【参考】香月乗光『浄土宗日常勤行の話』(『浄土選書』五、浄土宗出版、一九九五)
【執筆者:巖谷勝正】