「住吉信仰」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:27時点における最新版
すみよししんこう/住吉信仰
大阪市住吉区の住吉大社に対する信仰。祭神は、筒男三神(底筒男命・中筒男命・表筒男命)で、住吉大神と総称される。また神功皇后は新羅遠征に際して三神から神威を得て、戦わずして降伏せしめたことから、住吉大社では息長足姫命(神功皇后)も祭神に加えられ、各地の住吉神社も同様の祭神である場合が多い。神功皇后の故事から、海上交通の守護神として信仰を集め、海上航路の要所や漁民たちの守護として、大阪湾や瀬戸内海、日本海など沿岸地帯を中心に全国へ広まった。また農業や和歌の神徳に対する信仰もある。住吉大社には、伝統芸能の住吉踊りが伝わっている。その起源は神功皇后が朝鮮半島から帰国した際に、難波吉士氏が一族に伝わる氏舞を踊ったことが始まりとされ、中世に住吉大社の神宮寺から住吉踊りが広まったことから、僧衣を着用した踊り手が登場する。承元年間(一二〇七—一二一一)には、配流となった法然が四国から戻る途中で嵐にあったので、住吉大明神に安全航海を祈願したところ住吉に安着し、同地の一運寺に逗留して民衆を教化したという。
【参考】西本泰『住吉大社』(学生社、一九七七)、上田正昭『住吉と宗像の神』(筑摩書房、一九八八)、住吉大社編『住吉大社 改訂新版』(学生社、二〇〇二)、真弓常忠『住吉信仰—いのちの根源、海の神—』(朱鷺書房、二〇〇三)
【執筆者:大澤広嗣】