「四重破人」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版
しじゅうはにん/四重破人
一心に仏名を称える行者に対して、その信心を邪魔し破斥しようとして言い寄ってくる四種の人のことで、善導の『観経疏』散善義に説かれる深心釈の就人立信において示される。その破人とは、第一重は往生浄土の法とは解行が異なる人であり、良忠『伝通記』散善義記一では別時意を説く摂論家であるとしている。第二重は十地に達していない菩薩や阿羅漢、辟支仏、第三重は初地から第十地までの菩薩、第四重は化仏報仏である。善導は、智慧浅く煩悩を滅することのできない罪悪の凡夫に対して、ともするとそれら四重の破人が経論を証拠にして、念仏往生を非難し、信心を妨害してくる恐れがあるが、「決定して自心を建立して教に順じて修行し、永く疑錯を除いて、一切の別解、別行、異学、異見、異執に退失傾動せられざるなり」(聖典二・二九一/浄全二・五七上)と述べ、たとえいかなる者に言葉巧みに邪魔され誘惑されようとも、念仏往生を決して疑うことなく、むしろ自己の信をますます堅固にすべきことを説いている。
【参照項目】➡就人立信
【執筆者:齊藤隆信】