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「一念多念文意」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

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一巻。『[[一念多念]]証文』ともいう。[[親鸞]]述。[[隆寛]]撰『[[一念多念分別事]]』に基づいて、[[一念]]・多念の[[念仏]]を明かす要文を注釈する。その経論釈の要文の[[選択]]・配列および理解に[[親鸞]]独自の展開(信の[[一念]]、[[即得往生]]説)がみられる。成立は[[親鸞]]の[[消息]]に本書の名が出ることから建長八年(一二五六)頃とされる。真筆が現存([[大谷]][[本願寺]]蔵)。伝本の[[奥書]]の系統は「康元二年二月」と「正嘉二年八月」の二つあるが、後者のものでほとんど占められる。なお、室町時代の成立と考えられる、同題異本の偽書(撰者不明)がある。
 
一巻。『[[一念多念]]証文』ともいう。[[親鸞]]述。[[隆寛]]撰『[[一念多念分別事]]』に基づいて、[[一念]]・多念の[[念仏]]を明かす要文を注釈する。その経論釈の要文の[[選択]]・配列および理解に[[親鸞]]独自の展開(信の[[一念]]、[[即得往生]]説)がみられる。成立は[[親鸞]]の[[消息]]に本書の名が出ることから建長八年(一二五六)頃とされる。真筆が現存([[大谷]][[本願寺]]蔵)。伝本の[[奥書]]の系統は「康元二年二月」と「正嘉二年八月」の二つあるが、後者のものでほとんど占められる。なお、室町時代の成立と考えられる、同題異本の偽書(撰者不明)がある。
 
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【所収】『親鸞聖人真蹟集成』四、『定本親鸞聖人全集』四、正蔵八四
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【所収】『親鸞聖人真蹟集成』四、『定本親鸞聖人全集』四、正蔵八三
 
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【参考】大谷本願寺蔵本(真筆、康元二年)、高田専修寺蔵本(徳治二年写)、大阪浄照坊蔵本(室町時代写)、龍谷大蔵本(旧常楽寺蔵、室町末期写)、寛文四年版(龍谷大蔵・佐々木求巳氏蔵)、『真宗法要』所収本、『真宗仮名聖教』所収本、山上正尊『一念多念文意講讃』(西村為法館、一九五六)、梯実円『一念多念文意講讃』(永田文昌堂、一九九八)、『影印 高田古典』四(真宗高田派宗務院、二〇〇二)
 
【参考】大谷本願寺蔵本(真筆、康元二年)、高田専修寺蔵本(徳治二年写)、大阪浄照坊蔵本(室町時代写)、龍谷大蔵本(旧常楽寺蔵、室町末期写)、寛文四年版(龍谷大蔵・佐々木求巳氏蔵)、『真宗法要』所収本、『真宗仮名聖教』所収本、山上正尊『一念多念文意講讃』(西村為法館、一九五六)、梯実円『一念多念文意講讃』(永田文昌堂、一九九八)、『影印 高田古典』四(真宗高田派宗務院、二〇〇二)

2025年7月11日 (金) 06:27時点における最新版

いちねんたねんもんい/一念多念文意

一巻。『一念多念証文』ともいう。親鸞述。隆寛撰『一念多念分別事』に基づいて、一念・多念の念仏を明かす要文を注釈する。その経論釈の要文の選択・配列および理解に親鸞独自の展開(信の一念即得往生説)がみられる。成立は親鸞消息に本書の名が出ることから建長八年(一二五六)頃とされる。真筆が現存(大谷本願寺蔵)。伝本の奥書の系統は「康元二年二月」と「正嘉二年八月」の二つあるが、後者のものでほとんど占められる。なお、室町時代の成立と考えられる、同題異本の偽書(撰者不明)がある。


【所収】『親鸞聖人真蹟集成』四、『定本親鸞聖人全集』四、正蔵八三


【参考】大谷本願寺蔵本(真筆、康元二年)、高田専修寺蔵本(徳治二年写)、大阪浄照坊蔵本(室町時代写)、龍谷大蔵本(旧常楽寺蔵、室町末期写)、寛文四年版(龍谷大蔵・佐々木求巳氏蔵)、『真宗法要』所収本、『真宗仮名聖教』所収本、山上正尊『一念多念文意講讃』(西村為法館、一九五六)、梯実円『一念多念文意講讃』(永田文昌堂、一九九八)、『影印 高田古典』四(真宗高田派宗務院、二〇〇二)


【参照項目】➡一念多念一念多念分別事


【執筆者:能島覚】