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「孝経」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

こうきょう/孝経

中国の儒教の基本典籍である十三経じゅうさんけいの一つ。今文きんぶん系のテキストでは全一八章、古文こぶん系のテキストでは全二三章。内容上には大きな差異はない。孔子と弟子曽子そうしとの対話という形式をとるが、本当の作者は分からない。孝という家族愛、家族道徳を中心として、人間としての道徳的ありかたの完成を説く。生前には父母に仕えて孝養をつくし、その死後は祖先を同じくする宗廟で祭祀をすることが求められる。そのような父母をはじめとする祖先の崇拝には、一族の結束を強め、家族制度を維持するはたらきがある。『選択集』(聖典三・六八/浄全七・五六)ならびに『観無量寿経釈』(昭法全一一二/浄全九・三四六)に、本書についての言及がある。


【所収】栗原圭介『孝経』(『新釈漢文大系』三五、明治書院、一九八六)、加地伸行『孝経 全訳注』(講談社、二〇〇七)


【参考】桑原隲蔵『中国の孝道』(講談社、一九七七)


【執筆者:鵜飼光昌】