「無量寿仏名号利益大事因縁経」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:34時点における最新版
むりょうじゅぶつみょうごうりやくだいじいんねんぎょう/無量寿仏名号利益大事因縁経
一巻。康僧鎧訳。中国の経録類には本経の存在がみられず、また「久遠実成法身常住無量寿仏とは豈に異人ならん。今日の世尊、我が身是れなり」(続蔵一・三六一中)と阿弥陀仏を釈尊に同定していることから、『無量寿経』に擬して制作された日本撰述経典とみられている。内容は、不可思議光無量寿如来が本願力によって十方世界にその名号の功徳を宣布し、それを聞いて信心を発したあらゆる人々は不退転の正定位に入り、西方清浄安楽刹の仏国土に往生することができるという。また、「称名号」の功徳として滅罪や仏・菩薩の常護念を挙げ、疑心を持って信じないものは婆羅地獄あるいは頻陀羅獄に堕して無窮の苦しみを受けると説かれている。
【所収】続蔵一
【参考】望月信亨『仏教経典成立史論』(法蔵館、一九四六)
【執筆者:工藤量導】