「凡聖」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:33時点における最新版
ぼんしょう/凡聖
凡夫と聖人のこと。小乗では四向四果(預流・一来・不還・阿羅漢)の預流向以上を聖人、それ以下を凡夫とする。大乗の菩薩階位には諸説あるが、『菩薩瓔珞経』の五十二位(十信・十住・十行・十回向・十地・等覚・妙覚)では初地以上を聖人、十信以下を凡夫とする。真諦訳『摂大乗論』世親釈には「初発心の訖より十信以還は、並びに是れ凡位にして、十解より以上は悉く聖位に属す」(正蔵三一・一七四下)と十解(=十住)以上を聖人とする説があり、迦才『浄土論』はこの説を採って本為凡夫兼為聖人説をとなえた。
【参考】船山徹「聖者観の二系統—六朝隋唐仏教史鳥瞰の一試論—」(麥谷邦夫編『三教交渉論叢』京都大学人文科学研究所、二〇〇五)
【執筆者:工藤量導】