「本願力」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:33時点における最新版
ほんがんりき/本願力
本願が成就し仏と成ったことによって得た力。願力、誓願力、仏願力、因願力、宿願力ともいう。インドのバラモン教では禁欲的誓い・苦行の誓い(Ⓢvrata)を遵守することができたならば、その者に何らかの力が生じると考えられていた。しかも、誓いが達成困難な内容であればあるほど、それを成就した際に得られる力は大きくなる。本願力はまさにその概念を基盤として成立したものと推測される。阿弥陀仏の本願力の場合、その誓願とそれを成就するための修行は尋常ならざるものであったため、それを成就して得られた力も絶大・無限となる。往生を望む者はまさにその「本願力に乗じて」往生を遂げる。「其仏本願力」ではじまる「聞名得益偈」は、その本願力の偉大性を述べた偈文といえる。なお、この本願力は、私たちとは別の他なる存在である阿弥陀仏の力であるため、これを他力ともいう。
【執筆者:安達俊英】