「法然上人曼陀羅」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における版
ほうねんしょうにんまんだら/法然上人曼陀羅
善導と法然を描いた二幅一対の曼陀羅。知恩院蔵。従来、善導と道綽二幅一対で「二祖曼陀羅」とよばれていた。ところが道綽の幅の四周に、おのおの銘札があり墨書は剝落し判読できないが、法然諸伝に見る白い二幡が舞い降る誕生の奇瑞、清水寺の舞台、九条邸らしき建物や池水、往生時の来迎などを描いているところから、法然の伝記を現していると井川定慶によって訂正され、善導と法然の「二祖曼陀羅」と理解されるようになった。中央の御影は法然が曲彔に倚座し正面を向き念珠をつまぐる姿で、前には踏板があり沓が置かれている。これは浄土五祖像や禅宗の頂相などの影響が考えられる。また御影の周りに法然の生涯を描いていることは、浄土宗には少ない掛幅絵伝の性格も合わせ持ち、礼拝用と視覚伝道用に作り出されたものといえよう。製作は南北朝時代といわれる。裏面に宝暦七年(一七五七)修復の墨書がある。
【参照項目】➡法然上人御影
【執筆者:成田俊治】