「報生三昧」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ほうしょうざんまい/報生三昧
極楽浄土へ往生したのちの、煩悩のない第八地以上の平等法身の菩薩が得る境地のこと。平等法身の菩薩は、曇鸞『往生論註』下に「この菩薩、報生三昧を得て三昧の神力を以て、よく一処にして一念一時に十方世界に徧じて、種種に一切の諸仏及び諸仏の大会衆海を供養し、よく無量世界の仏法僧なき処に於いて種種に示現し種種に教化し、一切の衆生を度脱して常に仏事を作すとも、初より往来の想、供養の想、度脱の想なし」(浄全一・二四七下~八上)とあるように、この報生三昧に入ることにより作意・分別を用いなくとも十方の諸仏を供養し、衆生を済度することができるとされる。
【資料】『大智度論』五〇
【参考】石川琢道『曇鸞浄土教形成論—その思想的背景—』(法蔵館、二〇〇九)
【執筆者:石川琢道】