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いとひきにょらい/糸引如来
臨終を迎える者が、阿弥陀仏像の手につながれた五色の糸にすがって往生を願う儀礼に用いられた絵像や彫像。この儀礼は特に平安時代後期に流行した。『栄花物語』には、藤原道長が自ら造立した無量寿院において、九体阿弥陀像から糸を引き、それにすがって臨終を迎えたことが記されている。金戒光明寺の山越阿弥陀図には、現在でも、阿弥陀仏の手に往生人がすがる糸の残痕が残っている。
【参照項目】➡五色の糸、山越阿弥陀図
【執筆者:若麻績敏隆】