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「重重無尽」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

じゅうじゅうむじん/重重無尽

華厳の法界縁起を説明する言葉。華厳では一即一切、一切即一といわれるように一物として関係の網の目に漏れるものはない。重なり合い、どこまでも尽きることのない連鎖である。『華厳経』自体にこの言葉は出ない。「十地品」に「一微塵の中に於いて各の那由多無量数の諸仏、中において説法するを示す。一微塵の中に無量の仏国を見る」(正蔵九・五六四上)とあるが、法蔵は『華厳五教章』(正蔵四五・五〇六上)十玄門の因陀羅微細境界門にこの一文を引き、仏の世界重重無尽を説く。因陀羅は因陀羅網(Ⓢindra-jāla)と言い、帝釈天宮殿には重なり合うように宝網が張り巡らされるという。その結び目に宝珠があり、その宝珠が互いに照らし合い、映じあう様子が法界縁起重重無尽の比喩としてよく用いられる。無尽重重の用例もある。また華厳が一〇を満数として重んじ、一切法を示すことから、一切法一切法に相互に関連することを十十無尽と言うこともある。


【参照項目】➡一即一切因陀羅網


【執筆者:吉津宜英】