「秋葉信仰」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:17時点における最新版
あきばしんこう/秋葉信仰
静岡県浜松市にある秋葉山(標高八六六メートル)に対する信仰。火防鎮護の信仰で知られる。伝承によれば信州出身の修験者である三尺坊が来山して、死後に神格化され秋葉山三尺坊大権現として祀られたとされる。中世には修験者によって東海・信越地方を中心に、秋葉信仰が流布した。近世には秋葉寺が別当として管理していたが、明治の神仏分離で大打撃を受け、権現は山麓の曹洞宗寺院の可睡斎で祀られることになった。明治六年(一八七三)には山頂に秋葉山本宮秋葉神社(祭神は火之迦具土神)、同一三年には山上に曹洞宗秋葉寺が再興された。現在でも秋葉講が組織され信仰を集めている。曹洞宗寺院内で祀られることが多いが、浄土宗寺院でも鎌倉光明寺にある秋葉社などが見られる。
【参考】田村貞雄監修/中野東禅・吉田俊英編『秋葉信仰』(『民衆宗教史叢書』三一、雄山閣出版、一九九八)
【執筆者:大澤広嗣】