「極楽浄土九品往生義」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
ごくらくじょうどくぼんおうじょうぎ/極楽浄土九品往生義
一巻。『九品往生義』ともいう。良源撰。成立年次不明。藤原師輔(九〇九—九六〇)の要請により撰述されたとされる『観経』九品段の註釈書だが、静照や源信が引用しない点などから偽撰の可能性も指摘される。内容は、伝智顗『観経疏』によるところが大きく、願名においては智光『四十八願釈』を踏襲している。また、第十八、十九、二十の三願の解釈に力点を置き、新羅浄土教諸家の義寂や憬興などの論書を引用し、下品下生の者の念仏往生を可能とする論証は注目される。
【所収】浄全一五、仏全二四
【参考】佐藤哲英『叡山浄土教の研究』研究編(百華苑、一九七九)、奈良弘元『初期叡山浄土教の研究』(春秋社、二〇〇二)
【執筆者:和田典善】