「阿吽」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 00:19時点における最新版
あうん/阿吽
阿はⓈa、吽はⓈhūṁの音写。「阿」の音は口を開いて出す初めの音で、「吽」は口を閉じて出す終いの音である。それゆえ、「阿」は物事の初めを表し、「吽」は物事の終わりを表す。そして、この二つの文字にはすべてが込められているとされるのである。また空海『秘蔵記』には、『大日経』では「阿」を大日如来、「吽」を金剛薩埵の種字とし、『金剛頂経』ではその反対であることが記されており、真言密教において阿吽は大日如来や金剛薩埵の種字とされ重視されている。さらに阿吽は出入息、すなわち呼吸と理解されることもあり、息が合う様を「阿吽の呼吸」という。なお、寺院の山門などに見かける一対の仁王像は、一方が口を開けて(阿形像)、他方が口を閉じている(吽形像)ことが多いが、これは前者が「阿」を、後者が「吽」を表しているからである。
【参照項目】➡阿字
【執筆者:石田一裕】