「伽藍」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
がらん/伽藍
本来は衆僧の滞在する場所のこと。転じて土地および建物を含む寺院の総称となった。Ⓢsaṃghārāmaの音写で、僧伽藍摩の略。漢訳は衆園。寺院における堂舎の配置を伽藍配置といい、宗派や寺格、また時代や地域により異なる形式をもつ。飛鳥・奈良時代の南都六宗寺院と鎌倉・室町時代の禅宗寺院は、参道の軸線に基づく整然とした伽藍配置をとる。平安時代に造営された天台・真言宗寺院は山岳に堂舎が点在し、山岳伽藍と呼ばれる。鎌倉新仏教の浄土宗、真宗、日蓮宗等は近世に入ると本山で盛んに大規模な伽藍を建てた。これらの伽藍では御影堂や祖師堂、開山堂等が重要な位置を占めるのが特徴で、本堂と脇堂の配置は各宗派による特色がある。知恩院、金戒光明寺、知恩寺、清浄華院といった浄土宗の本山では大規模な御影堂が境内の中心に南面して立地し、その脇の前面に阿弥陀堂を東面ないし西面させた伽藍配置をもつ。真宗では御影堂と阿弥陀堂が並んだ配置がみられる。【図版】巻末付録
【参照項目】➡金堂、庫裡、講堂、山門一、大殿、寺院建築、七堂伽藍、東司、本堂、御影堂、祖師堂、開山堂、阿弥陀堂
【執筆者:中村琢巳】