「宝物集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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【所収】『新日本古典文学大系四〇 宝物集・閑居友・比良山古人霊託』(岩波書店、一九九三)、山田昭全他『宝物集』(おうふう、一九九五) | 【所収】『新日本古典文学大系四〇 宝物集・閑居友・比良山古人霊託』(岩波書店、一九九三)、山田昭全他『宝物集』(おうふう、一九九五) |
2018年8月22日 (水) 06:39時点における最新版
ほうぶつしゅう/宝物集
一巻、二巻、三巻、五巻、七巻。「ほうもつしゅう」とも。平康頼著。治承三年(一一七九)—文治四年(一一八八)の間に成立したとされる。和歌が多く含まれた仏教説話集。諸本が多く存在しており、一巻本・二巻本・三巻本・七巻本が主たる系統として挙げられる。その中には僧侶が法話集として用いるために改変したものもある。嵯峨の清凉寺に参詣した著者が、僧侶の語りや会話を書き記す形式で描かれている。その内容は厭離穢土・欣求浄土・往生の方法の三段に分けられ、特に往生の方法については一二門から構成されている。本書は『往生要集』に強く影響されており、引用も多い。しかし、諸本によって『往生要集』の引用に異なりがみられ、その影響が種々に議論されている。
【所収】『新日本古典文学大系四〇 宝物集・閑居友・比良山古人霊託』(岩波書店、一九九三)、山田昭全他『宝物集』(おうふう、一九九五)
【参考】小泉弘『古鈔本 宝物集 研究篇』(角川書店、一九七三)、大場朗『〈宝物集〉の研究』(おうふう、二〇一〇)
【執筆者:前島信也】