「荼毘」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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だび/荼毘
火葬のこと。Ⓟjhāpetiの音写語で、闍維・闍毘・耶維などとも音写される。また荼毘の行われる場所を荼毘所という。『大般涅槃経』中には、転輪聖王の遺体を荼毘に付すように、如来も入滅のときには荼毘に付すべきである、と釈尊が言ったことが説かれており、クシナガラで入滅した釈尊は、その地に住むマッラ族の手によって荼毘に付されたことが記されている。さらに『同』三では、摩訶迦葉がそこにたどり着くまで、釈尊を納めた棺に火がつかなかったことなど、釈尊の荼毘にあたっての様々な出来事が説かれている。法然の荼毘については、安貞二年(一二二八)一月二五日に粟生野で行われ、その様子を『四十八巻伝』四二は「荼毘を為すに、紫雲空に満ち、異香最も甚だし。緒人渇仰の思い愈々切なり」(聖典六・六四五)と伝えている。
【資料】『長阿含経』遊行経
【参考】中村元訳『ブッダ最後の旅』(岩波文庫、一九八〇)
【執筆者:石田一裕】