「蹲踞」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
そんこ/蹲踞
うずくまること、しゃがむことの意味。貴人が通行する際、しゃがんで頭を下げて礼をすること。「そんきょ」ともいう。『南海寄帰内法伝』では「律には応に先ず嗢屈竹迦すべしと云う。訳せば蹲踞となす。双足は地に履み、両膝は皆竪て」(正蔵五四・二二二下)といい、両足で地をふみ両膝を立てる(地につけない)座り方をいう。『四十八巻伝』一三では「願主宗貞、門前に蹲踞して、堂舎建立の旨趣を述べ、御供養あるべき由」(聖典六・一四七)とあり、義山は『翼賛』一三に「蹲居はうずくまりいるなり蹲は踞也」(浄全一六・二三一下)と註記している。浄土宗では登高座するときに、蹲踞して、袈裟・法衣を捌いてから高座に登り、下高座するときに高座より右足・左足をおろして蹲踞して威儀を整えるように、登下高座の途中の姿勢をいう。その際膝を開く姿勢はとらない。金戒光明寺の御忌唱導師が台下に向かって柄香炉を持って蹲踞することを蹲踞礼という。
【参考】宮林昭彦他『現代語訳 南海寄帰内法伝 七世紀インド仏教僧伽の日常生活』(法蔵館、二〇〇四)
【執筆者:大澤亮我】