大乗[[菩薩]]における代表的な六つの実践徳目。[[六波羅蜜]]多とも音写し、[[六度]]・[[六度]]無極・六到[[彼岸]]と義訳する。①[[布施]]（めぐみほどこすこと）②[[持戒]]（いましめまもること）③<ruby>[[忍辱]]<rt>にんにく</rt></ruby>（たえしのぶこと）④[[精進]]（つとめはげむこと）⑤[[禅定]]（しずめたもつこと）⑥[[般若]]（[[智慧]]、さとりめざめること）という六つの善行・徳行であり、覚りを目指し、その成就に努力する大乗[[菩薩]]の[[修行]]の眼目である。『[[般若経]]』は[[般若]][[波羅蜜]]の教えを説く経典であるが、[[六波羅蜜]]は[[菩薩]][[摩訶薩]]の主要な実践行として繰り返し説かれる。その際『小品[[般若経]]』などに[[般若]][[波羅蜜]]が他の五[[波羅蜜]]を導くものであることなどが記されるが、[[六波羅蜜]]の徳目はそれぞれ相互に関連し合いながら[[般若]][[波羅蜜]]の大きな理念の中に含まれるというのが、『[[般若経]]』の立場である。『[[無量寿経]]』上にいう「自ら[[六波羅蜜]]を行じ、人を教えて行ぜしむ」（聖典一・二三五／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0012 浄全一・一二]）とは、まさに[[法蔵菩薩]]の[[菩薩]]行の肝要にほかならない。