「勢至菩薩」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 10:08時点における最新版
せいしぼさつ/勢至菩薩
阿弥陀仏の智慧をつかさどる右脇侍の菩薩。Ⓢmahāsthāmaprāpta。摩訶那鉢と音写する。阿弥陀三尊の一。観音菩薩が阿弥陀仏の慈悲をつかさどるのに対する(聖聡『当麻曼陀羅疏』浄全一三・六二八下〜九上)。『平等覚経』『大阿弥陀経』によれば観音と共に阿弥陀仏と対座して八方上下、過去未来現在のことを議すという(浄全一・八二上、同一二〇下)。また『無量寿経』によれば、観音と共に娑婆世界で命終した後、極楽世界に転化したという(聖典一・七九)。その名の由来は、『観経』によれば「智慧の光をもって普く一切を照す。三塗を離れしむるに無上力を得たり。この故にこの菩薩を号して大勢至と名づく」(聖典一・三〇三/浄全一・四五)とされる。また、同じく『観経』によれば、その姿は肉髻の中に宝瓶をいだいているとされ、それ以外は観音とまったく同等であるという(聖典一・一七二、一七六)。また、胎蔵界曼荼羅では観音院に配置され、左手は開合蓮華、右手は二指以下三本を屈して胸にあて、赤蓮華座に坐す。『平等覚経』『大阿弥陀経』では、阿弥陀仏の入滅後、観音菩薩が補処し、さらにその入滅後に勢至菩薩が補処するという(浄全一・八三下〜四上、同一二二上)。『観音授記経』(正蔵一二・三五七上~中)、『悲華経』(正蔵三・一八六下)でも同じ説を出す。
【参照項目】➡阿弥陀三尊
【執筆者:齊藤舜健】