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「薬石」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版

やくせき/薬石

元来は、各種の医薬や治療法のこと。転じて僧侶の夕食を意味するようになった。晩粥や非時食ひじじきともいう。修行僧は戒律で、正午以降に食事をとることが禁じられており、飢えや寒さを凌ぐため腹部に温石おんじゃくを抱いていたが、僧侶の健康維持のため、夜食に粥を食べるようになった。これは悟りを完成させるための薬という建前である。「薬石効なく」といわれるときは、元来の医薬や治療の意である。


【資料】『禅林象器箋』飲啖門(『禅学叢書』九、中文出版社、一九七九)、『禅苑清規』一・護戒(第三期『禅語録傍訳全書』三、四季社、二〇〇六)、『祖庭事苑』一


【参照項目】➡非時食


【執筆者:田中正流】