一巻。祖巌撰。成立年や祖巌の伝歴は不明。円頓戒についてまず道光『菩薩戒疏見聞』の趣意を伝え、その後に菩薩戒の通受・別受、南山と天台の円戒について言及した書。なお著者の祖巌については、本書末に「入信院祖巌撰」とあり、おそらく知恩院山内の入信院にいた僧であろう。入信院の成立は一七世紀前半頃なので、本書の成立は早くてもその頃となる。
【所収】続浄一二
【執筆者:石田一裕】