「不安と欣求」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版
ふあんとごんぐ/不安と欣求
塚本善隆・梅原猛共著。昭和四三年(一九六八)一二月、角川書店刊。『仏教の思想』全一二巻の第八巻。副題〈中国浄土〉。中国浄土教を一つの思想と捉え、それを塚本が仏教学者からの視点で、梅原が哲学者・作家としての視点で明らかにしようとした書。浄土教をユートピア思想としてとらえる視点が濃厚であり、純粋な学術書的域に留まらず啓蒙的な性格もある。第一部が塚本善隆による、インドから中国へと展開する浄土教の教理的論述であり、第二部は「ユートピアの思想」と題され両著者による中国浄土教の特徴と問題についての対談である。第三部は梅原猛が哲学者および作家の視点から論じているもので、鳩摩羅什・曇鸞・道綽・善導の宗教的な内面を強調している。平成九年(一九九七)文庫版刊行(角川書店)。
【執筆者:遠田憲弘】