「破清濁」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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はしょうじょく/破清濁
一巻。英誉了月(—一五〇四)撰。延徳四年(一四九二)二月二八日成立。浄土宗の伝法で用いる授手印の手印の押し方について一五世紀末に論争があり、了暁が信法半印の左手印は所化の左手印(能右所左)であると主張したことに対して批判を加え、能化の左手印(能左所右)であることを力説したもの。はじめ聖聡の弟子の了暁が文明一四年(一四八二)六月に『授手印請決』を著し、瓜連常福寺の住僧であった了月はこれに対して同一六年五月に『顕授手印請決邪正義』を著して了暁の説を破したが、了暁の弟子である愚底が延徳二年(一四九〇)九月に『授手印請決清濁』を著して『邪正義』に対して反論したので、同四年二月二八日にさらにその所説(『清濁』)を破するために記述したもの。
【所収】『伝灯輯要』下
【参照項目】➡顕授手印請決邪正義
【執筆者:原口弘之】