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ねんなしょうにんほうご／然阿上人法語

一巻。『鎌倉法語集』ともいう。隆円編。文政九年（一八二六）刊。隆円が、信冏の七回忌にあたり、その弟子卓明等の資助を得て、良忠著作から在家の人々にも理解しやすい文章を選び、和文体に改め編纂したもの。内容は良忠の伝記にはじまり、法語二六、他に『選択伝弘決疑鈔裏書』の三心釈、「三祖記主禅師起請」「四祖白旗上人起請」を集録。また隆円は法然の法語集として『吉水法語集』文化八年（一八一一）刊、聖光の法語集として『鎮西法語集』文政一二年（一八二九）刊を編纂しており、本書とあわせ、これらを「三代法語集」という。昭和一一年（一九三六）、翌年に控えた知恩院での聖光・良忠・源智の大遠忌の記念出版として、「三代法語集」中、意義の難解な部分、重複しているところを省略し、これに信冏『筑紫法語集』の大部分、源智『選択要決』の一節を付属し、さらに注釈を施し、『三代法語抄』として刊行している。

【参考】知恩院刊『三代法語抄』（京都東山知恩院三上人遠忌事務局、一九三六）

【参照項目】➡鎮西法語集、吉水法語集

【執筆者：大谷慈通】