「日課念仏」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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にっかねんぶつ/日課念仏
毎日のつとめとして自身に遍数を課して称える念仏のこと。浄土宗においては、僧俗共に五重相伝会等において、一日に称える念仏の遍数を誓約することになっており、それを日課誓約と呼んでいる。その淵源と根拠は、法然が『一百四十五箇条問答』において、「数を定めそうらわねば懈怠になりそうらえば数を定めたるがよき事にてそうろう」(聖典四・四五二/昭法全六五〇)と、懈怠を防止するために毎日称える念仏の数を決めるべきことを説き、また「念仏の数は一万遍を始めにて、二万三万五万六万、乃至十万まで申しそうろうなり。この中に御心に任せて思召しそうらわん程を申させおわしますべし」(聖典四・四五三/昭法全六五〇)と、一万遍から十万遍までのうち自分の好きな数を選んで念仏を申すべきであると説き、『四十八巻伝』六に、「大唐の善導和尚の教えに従い、本朝の恵心の先徳の勧めに任せて、称名念仏の勤め長日六万遍なり。死期、漸く近づくによりて、また一万遍を加えて、長日七万遍の行者なり」(聖典六・六三)とあり、自身が六万遍、七万遍の念仏を日課としていたことに求められる。
【参照項目】➡日課誓約
【執筆者:曽田俊弘】