「二種懺悔」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における最新版
にしゅさんげ/二種懺悔
出家者が律蔵にしたがって行う制教の懺悔と、在家者と出家者が経論の二蔵にしたがって行う化教の懺悔のこと。または、化教の懺悔のうち、尊像を前に身・口・意の三業をもって過去世からの罪業を懺悔する事懺と、諸法の実相を念ずることにより、罪業をおこす妄念の根本を懺悔する理懺のこと。事懺は愚鈍の者を対象としており、『仏名経』や『方等陀羅尼経』等にしたがって礼拝や名号の誦持を行う懺悔である。これに対して、理懺は智利の者を対象としており、実相観や唯識観による懺悔である。善導『往生礼讃』所説の要・略・広の三懺悔は化教の懺悔にあたる。永観『往生講式』には「但し事理の懺悔に堪えざる者は一心に弥陀仏を念ずべし。一念の間に能く八十億劫の生死の罪を滅す。何に況や念念をや。是の故に常に弥陀を念ずる者は恒に懺悔を修するの人なり」(浄全一五・四六九上)とある。
【資料】道宣『四分律行事鈔』(正蔵四〇)、諦観『天台四教儀』(正蔵四六)、良忠『往生礼讃私記』(浄全四)
【参照項目】➡化教
【執筆者:吉水岳彦】