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「線香」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版

せんこう/線香

香の一種。沈香、白檀、丁子、安息香などの香料を粉末にし、松やになどの糊料を入れて練り固め、線のように細い棒状にしたもの。仏の供養とともに、供養する人の身心を清浄にするために用いる。仙香、繊香、綫香とも書き、長寿香ともいう。細長い形状は薫香を少しでも長もちさせ、扱いやすさを考慮したためである。インド・中国などでは、細い竹ひごに線香の生地を練りつけて固めた竹芯香(竹ひご香・竹枝香)が用いられている。日本では五島一官が中国(福州)から竹芯香の製法を伝え、長崎で製造したのが始まりという。その後、禅宗浄土宗から広まり、仏事や諸事で使用されるようになった。法会や墓参の際に仏前や墓地などで焚かれることが多いが、時計代わりに線香を用いることもある。線香が一本燃え尽きるまでの時間を一炷いっちゅうと称し、念仏を称える時間の単位とした。線香を一、二、三本と立てる説は、焼香の回数に準じるものであり、一本は一心不乱、二本は戒香・定香、三本は三毒を焼くという意がある。


【参考】山田憲太郎『香料 日本のにおい』(法政大学出版局、一九七八)、西川如見『長崎夜話草』五(岩波文庫二九七、一九四二)


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【執筆者:池田智光】