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選択集大綱抄

提供: 新纂浄土宗大辞典

せんちゃくしゅうたいこうしょう/選択集大綱抄

三巻。道光撰。永仁四年(一二九六)成立。初学者のために『選択集』の大綱を記し、また各章における要義や問題等を提起して、その意を論述したもの。上巻は第一章、二章、中巻に三章から七章、下巻に八章から一六章が分類されている。道光は『選択集』第一章から第三章を一宗の大綱を述したものとし、以下の章は本願念仏の衆徳を顕わしたものとする。また各章目の下に割書があり、「廃立を以て義となす」と記され、道光は『選択集』を廃立について明らかにしたものであるとみなしている。諸師の異説を挙げながら自説を述べており、『選択集』の研究、また三条派の研究に際して重要な典籍である。刊本として慶安二年版、延宝二年版がある。


【所収】浄全八


【参考】石井教道『選択集の研究 註疏篇』(誠文堂新光社、一九四五)、小沢勇貫「選択集の章疏論難書 解説」(浄全八/『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)


【執筆者:沼倉雄人】