五巻。存覚著。『存覚一期記』に四九歳の著作とし、『浄典目録』には「同所光照寺住持慶願明尊の望に依て之を草す」(真宗全書七四・三)とあり、暦応元年(一三三八)備後地方での著作。『選択集』の解説書。『選択集』本文を、順をおって解説するもので、各章の冒頭で要義を述べ本文註解に入り、要所で問答を展開して『選択集』の奥義を開顕する。初期真宗内で『選択集』が読まれたことが窺える。
【所収】浄全八、真聖全五
【執筆者:藤田真隆】