運空
提供: 新纂浄土宗大辞典
うんくう/運空
—永徳二年(一三八二)八月一〇日。我観房(一説には等玉房蓮空)。如法ともいう。俗姓は藤原氏。金戒光明寺八世。父は奈良春日明神の神職で、運空は明神に祈って生まれたという。はじめ東大寺において出家し、智蔵について唯識や因明を学び、京都に来て『選択集』の講述を聞いて浄土教に帰入した。黒谷光明寺七世範空の門に入り、文和二年(一三五三)同寺住職となった。後光厳天皇はその徳風を聞き、金剛宝戒を受け、黒谷に「金戒」の二字を贈り、以後金戒光明寺と称するようになったという。また蓮空大道人の号を賜わる。また一夜、霊夢を感じ、鎮守として稲荷大明神を祀ったともいう。
【資料】『黒谷誌要』(浄全二〇)
【執筆者:笠島崇信】