阿弥陀仏が成就した本願は、諸仏や諸菩薩の別願も及ばない、世にも勝れた誓願であることを表す。『無量寿経』上には「我超世の願を建つ、必ず無上道に至らん」(聖典一・二三三/浄全一・一一)と誓われている。法然は『十二問答(禅勝房との問答)』のなかで、「ただ極楽の欣ねがわしくもなく念仏の申されざらん事のみこそ往生の障にてはあるべけれ。かるが故に他力本願ともいい、超世の悲願ともいうなり」(聖典四・四三八/昭法全六三八)と説いている。
【執筆者:齋藤蒙光】