行華 (あんげ)
提供: 新纂浄土宗大辞典
あんげ/行華
仏式の結婚式で、新郎新婦が仏前に進み花を供えること。『仏本行集経』三の、雲童子と賢者が共に燃灯仏に花を供えた縁で夫婦になったとの故事により、阿弥陀仏に花を供えて結婚の証として行っている(正蔵三・六六六下)。日課(念仏)勧奨と共に結婚式での重要な作法のひとつ。浄土宗では昭和一三年(一九三八)五月、法式条例を改正し、法要式典の中に結婚式を新たに設け、戒師の告諭として行華の由来を説き、行華の作法を制定した。新郎は新婦の持っている七本の花から五本の花を受け取り、新婦は二本の花を持ち、ともに本尊前に進んで花を献じ焼香する。
【参考】『法要集』(昭和一四年版)、『結婚式』(浄土宗、一九九九)、藤村隆淳『マハーヴァスツの菩薩思想』(山喜房仏書林、二〇〇二)
【参照項目】➡仏式結婚
【執筆者:西城宗隆】