行仙
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぎょうせん/行仙
—弘安元年(一二七八)。金沢文庫蔵、残欠本『念仏往生伝』の編者と推定される。平頼盛の孫。初め静遍の弟子であったが、後に念仏者となる。『法水分流記』等には良忠等と並んで聖光の弟子として記されるが、『蓮門宗派』には禅勝の弟子とあり諸説ある。高野山から下向する念仏者がいたという上野国山上に住しており、その念仏者からの伝聞が『念仏往生伝』に見られる。『一言芳談』『祖師一口法語』にも行仙の法語が収録される。
【資料】『鎮流祖伝』(浄全一七)、『法水分流記』『蓮門宗派』(共に野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』青史出版、二〇〇四)
【参考】『金沢文庫資料全書』仏典四、浄土篇一(金沢文庫、一九八〇)、家永三郎『中世仏教思想史研究』改訂増補(法蔵館、一九五五)
【参照項目】➡念仏往生伝
【執筆者:郡嶋昭示】