現存は二巻。宋・元照がんじょうの著作を集成した書。「芝園」は元照が住した杭州西湖東岸の霊芝寺(崇福寺)にちなんだ名称。上巻には出家僧のために書いた塔銘・行業記一四篇を、下巻には在家信者のために書いた墓銘・その他一八篇を収載する。いずれも宋代仏教の基本的な資料である。下巻に収載する「論慈愍三蔵集書」は、『選択集』にいう「慈愍流」に関する貴重な資料である。
【所収】続蔵五九
【参考】佐藤成順『宋代仏教の研究』(山喜房仏書林、二〇〇一)
【執筆者:佐藤成順】