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縁日

提供: 新纂浄土宗大辞典

えんにち/縁日

有縁うえん日あるいは結縁けちえん日の略語とされ、神仏になんらかの縁があって当該神社仏閣の祭り供養に参加する日をいう。仏会を営む日を会日えにちといい、縁日は会日の転訛てんかした言葉ともいうが、いずれが正しいかは確かではない。その日に参詣すれば特別な功徳があるとされ、長い歴史のうちに門前町が形成され、観音菩薩は一八日、地蔵菩薩は四日というように社寺ごとに固定化されていった。またその回数は一年に一回ないし数回と社寺によって異なり、一定していない。特定の日に固定化されて、しかも重複しなかったのは、庶民にとって縁日は一種の楽しみであり、庶民側の生産活動のおりなすリズムに加え、社寺側の積極的な働きかけがあったことにもよると考えられる。その日には多くの参詣者のためにさまざまな見世物や簡単な小屋がけの小店が立ち並び、のちに縁日といえば、このような賑わいの場を指すようになった。戦後出現したヤミ市は、縁日のイメージの再現であったともいう。


【執筆者:藤井正雄】