絵仏師
提供: 新纂浄土宗大辞典
えぶっし/絵仏師
仏画制作や仏像の彩色を主に行う絵師。仏師とも呼ばれたが、木彫像を造る木仏師と区別するために絵仏師という呼称が用いられた。仏画は奈良時代には画工司の工人が、平安時代初期には絵所の絵師等が制作を担当しており、平安時代中期頃になると僧名を持つ者もあらわれた。絵仏師と称されるのは一一世紀からである。治暦四年(一〇六八)以降には僧綱位に叙せられた者もおり、その地位は高まった。やがて世襲、集団化し、中世には南都絵所座のような有力な寺社や教団と深い関わりを持つ絵仏師の組織もあった。一方、粟田口絵師や康楽寺派の絵師は、一三世紀末頃から本願寺教団の依頼により、法然や親鸞の絵伝などを制作していた。
【参考】むしゃこうじみのる『絵師』(法政大学出版局、一九九〇)、平田寛『絵仏師の時代』(中央公論美術出版、一九九四)
【参照項目】➡仏師
【執筆者:田中夕子】