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紋章

提供: 新纂浄土宗大辞典

もんしょう/紋章

ある個人・団体を表す図柄をいう。紋の字は織物の文様を指し、「章」の字は、入れ墨の道具針である「辛」を「立」と「十」に分け、その間に墨だまりを示す「日」を加えた形からできた会意文字で、入れ墨の美しさから、明らかに表すことの意味となる。紋章という語は近代日本において作られた。西洋諸国には国、都市、貴族、聖職者を表す盾形の図柄があり、これを紋章と訳した。翻って日本の家紋、寺社紋等も紋章と呼ぶようになり、大正一五年(一九二六)、沼田頼輔の『日本紋章学』の出版により、紋章が家紋、寺社紋を含む図柄の意味として定着した。浄土宗においては、大正四年(一九一五)教令第二九号宗紋規程の第一条に「本宗の紋章を左の如く定む」とあって、宗紋を指すために紋章の語を用いている。


【参考】沼田頼輔『日本紋章学』(明治書院、一九二六)、加藤良光「浄土宗宗紋の問題点(1)—混乱の現状とその原因—」(『仏教論叢』四七、二〇〇三)


【参照項目】➡宗紋


【執筆者:加藤良光】