立正佼成会
提供: 新纂浄土宗大辞典
りっしょうこうせいかい/立正佼成会
庭野日敬(一九〇六—一九九九)と長沼妙佼(一八八九—一九五七)が昭和一三年(一九三八)に創立した在家仏教教団。本部は東京都杉並区和田。民間信仰を奉じていた庭野は、娘の病気を契機に昭和一〇年(一九三五)霊友会に入会する。病気がちだった長沼は、庭野の勧めで同一一年同会に入会。病気が治癒したことを信仰の功徳として受けとめた二人は、以後熱心に布教活動をし、庭野は七ヶ月で副支部長になる。同一三年、霊友会初代会長・小谷喜美との方針の違いから二人は同会を脱退、大日本立正交成会を創立した。当時の布教は、法座での生活・信仰相談、姓名鑑定を中心に行われ、これは現在でも続いている。同三五年現教団名に改称した。立正佼成会は霊友会と同様に先祖供養を重視。また布教の特徴は法座などを通じて信仰者の自己理解、生活改善、意識改革(「心田を耕す」)を促すところにある。宗教活動以外にも社会事業に積極的に取り組み、同五三年に設立した「庭野平和財団」では世界平和を目指し研究・活動助成が行われている。信者数は公称約三〇九万人(平成二六年〔二〇一四〕現在)。
【参考】中濃教篤『庭野日敬』(新人物往来社、一九七〇)、縄田早苗「霊友会・立正佼成会・創価学会」(縄田早苗他編『新宗教の世界』二、大蔵出版、一九八三)
【執筆者:武井順介】