素絹などを着るときに、胴を腰のところで括り結ぶ幅広の紐のこと。本来は公家の束帯装束に用いる黒皮製の帯で、漆塗りの上に玉・瑪瑙めのう・犀角さいかく・鼈甲べっこうなどの飾り石を縫い付けてあるのでこの字を当てる。袍ほうの上から腰に当て、儀式や官位によって区別した。長素絹・半素絹に用いる場合は飾り石などは用いず、共布で腰に当てる部分と両端に型紙などで芯を入れ堅く作り、前身頃まえみごろで結ぶ。
【執筆者:中野孝昭】