睡眠偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
すいみんげ/睡眠偈
就寝するときに唱える偈文。「若睡眠時 当願衆生 身得安穏 心無動乱」。出典不明であるが、『八十華厳』一四には、「以時寝息 当願衆生 身得安穏 心無動乱」(正蔵一〇・七二上)とある。身体は安穏にして、心は乱れることなく、眠りにつくことを念じる文。もし就寝するときには、あらゆる人々と共に、身も心も安穏にして乱れることがないように願いたい、との意。また法然が「阿弥陀仏と十声称えて眠まん永き眠りになりもこそすれ」(聖典四・四八九/昭法全八七九)と詠ったことにもとづき、毎夜眠りにつくとき、西方に向かい、このところに阿弥陀仏が来現ましますと思い、必ず来迎引摂したまえと十念して臥す。この睡時十念は浄土宗の就寝時の作法である。
【参照項目】➡睡時十念
【執筆者:當間浩昭】